室内空気環境について(基礎対応編)

素人のビル管理

前の記事(基礎知識編)で記載した内容を踏まえての対応方法を記載します。

もし判らない事がありましたら、基礎知識編をご一読下さい。

まず私が困ったのは(一般的にもここの対応が多いと聞いていますが)、冬季(寒冷・乾燥)季の湿度です。実施した対応を順に記載します。

ちなみに私の管理しているビルは、外気に窯を沸騰させて発生した蒸気を乗せるタイプ。1フロアに2系統あり、双方の系統共基本的には同じ物になっております。(空気取り込み口の位置が違う為、外気の風の吹き方によって多少違いが出る様ですが)

一部フロアはB工事による増強で、外気処理PAC付空調が有り、外気処理PAC付空調の有るフロアには、直接排気する換気扇が増設してあります。

まず行った事は、①加湿器のフル稼働です。

というと、「加湿器を稼働させて無かったのですか?」と言われそうですが、改めての再確認になります。加湿器を稼働させるに当たり、温度計と湿度計が付いており、結露を防ぐ為に、一定の基準を超えると停止する様になっているのですが、古い温度計、湿度計はセンサーが緩くなってきており、もうちょっと頑張って欲しい時に停まってしまう事がありました。その為、センサーが甘くなっている機器はセンサーの目標値を上げ、目標値まではフル稼働出来る設定に見直しました。(センサーを交換した方が良いと思います。私も一部、おかしい物は交換する予定です。)また、測定している位置、測定用の空気を取り込んでいる位置によっては、全体の平均的な数字と誤差がある位置での取込がされている可能性もあるので、新しい機械で有っても、調整が必要になるかと思います。

一般的な設定は温度15℃、湿度50%設定くらいみたいです。

温度は指定温度以上で動き出し、湿度は目標湿度になると停止します。温度が低すぎる状態で加湿すると結露する為、暖房が稼働し室内温度が一定以上になると稼働し、必要以上に加湿して結露するのを防ぐ為の制御を行う為、この様になっている様です。

冬季の室内環境の流れとしては、以下の通りになります。

(時間等は私のところの例です)

1.朝始業時(8:30):暖房稼働、外気の取込開始(加湿器も機械自体はスイッチが入ります)

 暖房により室内温度が上昇し始めます。

 乾燥した外気を取り込む事により、室内の湿度が下がります。

 まだ室温が低いので加湿はされず→室温上昇、湿度低下となります。

2.(10:00前)室温が一定以上に上昇

 暖房の効果があり、室温が上昇します。そのまま暖房は稼働し、室温は上昇し続けます。

 加湿器が指定温度を超えた事を認識し、稼働し始めます。

 暖房・加湿器稼働→温度と湿度が上昇

3.(12:00頃)一定の温湿度で安定

 但し、外気の取込を行っているので、カラカラの北風が吹くなどすると、湿度が下がったりします。

次に行った事は②外気の絞り込みになります。

ビルの設計等にもよると思いますが、二酸化炭素濃度が上昇するのが怖いので、室内最大収容人数を想定した外気の取込設計となっているかと思います。基礎知識で記載している通り、出勤人数が多いと、二酸化炭素濃度と水蒸気量が上昇しますが、最大収容人数に対し実際の勤務者が極端に少ない場合、加湿が追いつかなくなる為です。また外気を取り込む理由は、勤務者の発生させるCO2の濃度を薄めたい為なので、勤務者が少ない場合は外気の取込量を絞り込んで問題ありません。

各フロアでの外気取込量が調整出来る方は、各フロア単位での絞り込みを行っていただけば良いかと思います。私の管理しているビルは、最上階は単独で調整出来たのですが、他のフロアは一定の外気量を一括で取り込み各フロアに分配するシステムになっていた為、それぞれの調整が出来ませんでした。その為、湿度の出やすいフロアと出にくいフロアがあったので、フロアへの分配量を調整する事で対応しました。

私がこの問題に取り組んだ時は、コロナ禍で極端に出勤人数が少なかった事もあったと思うのですが、それでもやはり基準値まで届かない日が発生しました。(大体の日、特定フロア以外は達成するのですが、どうしても100%達成しきれると言い切れない状況でした。)その為、また違う対応を取る事としました。そちらは応用対応編に記載したいと考えております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました